銭湯ルネサンス――東京の銭湯文化が世界に届く理由 | NETOKYO
銭湯ルネサンス――東京の銭湯文化が世界に届く理由
サウナブーム・インバウンド急増・若者カルチャーとの融合。閉店が相次いだ東京の銭湯が、今や世界から注目される体験型観光スポットに生まれ変わっている。その復活の裏側を探る。
なぜ銭湯が「再発見」されているのか
東京都内には現在430店を超える銭湯が営業している。かつては老朽化や経営者の高齢化で閉店が相次いでいたが、ここ数年で流れが変わった。サウナブーム、インバウンド需要の急増、そして若者カルチャーとの融合が、銭湯を「昭和の遺物」から「東京が誇る体験型コンテンツ」へと転換させた。
象徴的なのが墨田区の「黄金湯」だ。2020年にリニューアルした同店は、こだわりのサウナと冷水浴(12〜13℃の冷水)、屋外の外気浴スペースを備え、おしゃれな女性から外国人まで多様な客層で連日賑わっている。深夜0時半まで営業し、食事もできるラウンジを2階に構える。銭湯の概念を更新したパイオニア的存在だ。
東京都が動いた:WELCOME SENTO キャンペーン
東京都と都内浴場組合が連携し、都内63店舗を「外国人観光客WELCOME!SENTO」として認定するキャンペーンを展開した。多言語対応の券売機、キャッシュレス決済、英語の案内サインを整備し、オリジナル手ぬぐいの配布も行う。台東区の寿湯では外国人利用者が前年比で倍増したという実績も生まれた。
- 都内63店舗を「外国人WELCOME銭湯」として認定。多言語・キャッシュレス対応を整備。
- 「TOKYO SENTO COUPON for Tourists」で300円の割引入浴券を都内ホテルで配布。
- 空港サイネージ・YouTube広告で銭湯の魅力を海外に発信。外国語体験記も掲載。
サ活×若者カルチャーの融合
銭湯復活のもう一つの原動力が「サ活(サウナ活動)」ブームだ。若者を中心に「整う」体験が流行し、銭湯のサウナが一気に再評価された。渋い系カルチャーへの回帰とも連動し、トレンドに敏感なアパレルブランドが銭湯とコラボするケースも増えている。
古き良き銭湯を残すためにも、いろいろな人に来て体験してもらって、良かったと言ってもらえると続けられる。
— 寿湯 長沼亮三代表NETOKYOの視点
銭湯は「施設」ではなく「文化」だ。見知らぬ人が同じ湯につかり、言葉を交わす空間は、東京の他のどこにもない。インバウンドが加速する今こそ、銭湯は東京が世界に誇れる最高の体験型コンテンツになりうる。
