ミシュラン2つ星を断った料理人――「評価より信念」を選んだ東京の職人 | NETOKYO

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ミシュラン2つ星を断った料理人――「評価より信念」を選んだ東京の職人
Tokyo Stories

ミシュラン2つ星を断った料理人――「評価より信念」を選んだ東京の職人

May 20268 min readTokyo Stories

東京・神楽坂で30年、和食を作り続けてきた料理人がいる。ミシュランの星を断り、予約も取らず、メニューも固定しない——その哲学と、なぜそれが世界から評価されるのかを聞いた。

「星は要らない」と言った料理人

神楽坂の路地裏、看板も出していない小さな割烹。木村誠一さん(62歳)は30年間、ここで和食を作り続けてきた。一時期、ミシュランガイドの調査員が訪れ「掲載の許可をほしい」と連絡があったが、断ったという。

「星がつくと、客層が変わる。評価されるための料理を作るようになる。それは違う」。木村さんは淡々と話す。予約は電話のみ、口コミで広がるだけ。それでも毎夜満席が続く。

和食の職人
木村さんの厨房。30年間変わらない包丁と向き合い方

「メニューがない」という哲学

木村さんの店にはメニューがない。その日の仕入れと、客の顔を見て決める。「同じものを食べに来る人は要らない。新しい出会いのある料理を作りたい」。旬の食材、産地との関係、調理技術——すべてが「その夜のためだけ」に組み合わされる。

料理は評価されるためにあるんじゃない。目の前の人が喜ぶためにある。それだけです。

— 木村誠一(神楽坂・割烹料理人)

世界から来る客たち

木村さんの店には今、世界中から客が来る。SNSで広まったわけでもない。ニューヨーク・パリ・シンガポールの料理人たちが「日本の本物を学びたい」と訪れるようになった。「言葉が通じなくても、料理は通じる。それが面白い」と木村さんは言う。

NETOKYOの視点

木村さんの話は、評価経済の時代への静かな抵抗だ。星・フォロワー・レビュー——そういう数字ではなく、目の前の人の笑顔だけを追い続ける職人がいる。東京にはそういう人がまだたくさんいる。

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